まずは被害の発見
被害防除を行う意味
- 動物被害にあった樹木は枯れるか、商品価値のない樹木となってしまいます。
- 長い年月をかけて育てた森林資源に大損害が出ます。
- 守るべき森林や樹木は防護資材を上手に活用して守っていきましょう
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被害を受けた樹木は、剝皮面積が大きくなるほど2~4年以内に変色・変形・枯死するため、間伐を行わなければ、材価がなくなってしまいます。
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被害の発見が遅れることで、伐採しなければならない樹木数が多くなります。
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強度の間伐が実施されると、林内に注ぐ日光量が増加します。
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間伐による栄養の集中と日光量の増加により、残存木の成長が促進されます。また、繁茂した下層植生を食べにシカが入ります。
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ツキノワグマやニホンジカは成長の良い樹木を狙い剝皮するため、さらなる被害の深刻化に繋がります。
剝皮被害の早期発見のために
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山間部の尾根から植林地をみて、赤枯れしたスギを発見した場合は、早急に周辺の被害状況を確認してください。
赤枯れが発生している周辺は、クマやシカによる被害が深刻化している可能性があります。
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被害にあっている樹木の本数や剝皮率(剝皮幅/木の周囲)を調べてください。
剝皮率が高いと自然回復が困難であり、剝皮率が高い林分では手遅れの場合があるため、伐採せざるをえません。
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被害にもパターンがあります。
被害をもたらす獣種の判別を行い、適切な防除対策を行ってください。
植林地被害の早期発見のために
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植林地における下層植生の状態をご確認ください。
ニホンジカが大量に生息している地域は下層植生の食害がひどく、地際に緑がほとんど見られません。
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下層植生が無い場合は、剝皮被害に加えて植栽した幼齢木の食害被害が発生しやすい地域であるため、植栽地の被害を確認して下さい。
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植栽地においても剝皮被害が確認された場合、すぐにシカの侵入を防止する措置をとる必要があります。
林業における被害対策には、被害が発生する前に先手を打った対策が最も効果的です。
特に重大な被害をもたらすツキノワグマやニホンジカの足跡や糞などがみられる地域では早め早めの対策を行うことを心がけてください。