<農業記事>作物に発生する様々な病気
家庭菜園やハウスにおける野菜栽培では、発生しやすい病気がいくつかあります。今回は、主に泥はねからくる病気についてご紹介していきます。
病気の種類や発生理由・対策方法をまとめましたので、来春以降に野菜栽培を予定されている方は、参考にしていただけますと幸いです♪
夏野菜に発生する主な病害と対策
疫病
【主に】トマト、ナス、ピーマン、きゅうり、かぼちゃ、スイカ、メロン
- 特徴:高温多湿下で急速に拡大。茎・葉・果実が黒変し萎れる。
- 原因:排水不良、連作、湿度過多。
- 対策:高畝、排水対策、雨よけ、株間確保、乾燥気味管理。
- 主な農薬:ザンプロDM、リドミルゴールド、アミスター、レーバス。
べと病
【主に】きゅうり、かぼちゃ、メロン、タマネギ
- 特徴:葉の黄化、裏面に灰色カビ。
- 原因:低温~適温の多湿(18〜25℃)。
- 対策:風通し改善、朝の潅水、密植回避。
- 主な農薬:ザンプロDM、ダコニール1000、シグナム。
うどんこ病
【主に】きゅうり、ズッキーニ、かぼちゃ、トマト
- 特徴:白い粉状のカビ。高温乾燥で増加。
- 対策:下葉取り、通気性確保。
- 主な農薬:カリグリーン、トップジンM、アミスター。
灰色かび病
【主に】トマト、きゅうり、ナス、ピーマン
- 特徴:傷から侵入し灰色カビが広がる。
- 対策:傷果の除去、湿度管理、換気強化。
- 主な農薬:スイッチ、ロブラール、微生物剤ボトキラー。
炭疽病
【主に】スイカ、メロン、きゅうり、トマト
- 特徴:黒い輪状の病斑。梅雨〜夏の雨で急増。
- 主な農薬:ダコニール1000、トップジンM、アミスター。
青枯病(バクテリア)
【主に】トマト、ナス、ピーマン
- 特徴:高温期に急速萎凋。茎断面から白濁粘液。
- 対策:過湿回避、連作回避、太陽熱消毒、病株撤去。
葉かび病(特にトマト)
- 特徴:葉裏にオリーブ色カビ。湿度過多で急増。
- 主な農薬:アミスターオプティ、バリダシン液剤、ダコニール。
軟腐病
これは、特に私が気味の悪いと思う病気です。キャベツ、レタス、白菜、ブロッコリー、ほうれん草 などかかかりやすいとされています。
〇特徴
葉が水浸状にぐちゃっと腐り、悪臭を放つ
腐敗部分は軟らかく、指で押すと溶けるような状態
高温多湿で急速に広がり、特に 梅雨〜盛夏に多発
傷口・虫害部分から細菌が入りやすい
〇原因条件
高温(25℃以上)× 多湿
アオムシ・ヨトウ虫などの食害による傷
雨続きのあと、畑が乾かない
窒素過多(茎が軟弱になり感染しやすい)
〇予防対策
害虫防除の徹底(アオムシ・ヨトウ・ハモグリバエなど)
畝を高くして排水性を上げる
雨の後は中耕して風を通す
収穫時に傷をつけない
窒素肥料を控えめにして、徒長を防ぐ
マルチや敷きわらで泥はねを防ぐ
〇発病株の対処
感染葉・株は早期除去して圃場外で処分
切り口や作業道具もこまめに消毒(逆に広げやすい)
〇 主な農薬(細菌病用)
※軟腐病は「細菌病」なので、殺菌剤でも効かないものがある点に注意。
バリダシン液剤5
アグリマイシン100(ストレプトマイシン)
カスミンボルドー
オキシンドー水和剤
ヨネポン(安価で細菌病にも一定効果)
微生物剤:ボトキラー(予防として)
<対策>
雨水の泥はねによる伝染を防ぐために植え付け時の敷きワラなどでマルチングを施すと病気の予防になります。(商品を画面に出す)発生期には7~10日おきに定期的にダコニール1000、サンボルドー、オーソサイド水和剤などを散布します。ダコニールは私も防除剤として使っています。
ポリエチレン製敷き藁(代替敷きワラ)で防げる主な病気
ポリエチレン敷き藁の最大のメリットは「①泥はね防止 × ②地表湿度の安定 ×③ 雨水が葉に触れない」
この3つの効果により、多くの病気の初期感染を抑制できます。
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べと病(ウリ科・ナス科・葉菜類)
〇理由
・泥はねで葉裏につく胞子が付着しにくくなる
・葉が濡れない → 初期感染が大幅に減る
※きゅうり・かぼちゃ・レタスべと病に特に有効。
疫病(トマト・ナス・ピーマン・ジャガイモ)
〇 理由
・地面から菌が跳ね上がる感染経路を遮断
・地表の水分量を抑え、菌の増殖環境を悪化させる
特に トマト疫病 ではマルチの有無で発生率が大きく変わります。
炭疽病(スイカ・メロン・きゅうり)
〇理由
・果実が地面に触れにくく、土壌菌の感染を防ぐ
・泥はねが果実に付かず、病斑の初期侵入が少なくなる
軟腐病(キャベツ・レタス・白菜など)
〇 理由
・泥はね+高湿で広がる細菌系病害
・敷き藁により 葉の汚れと水滴停滞が減少 → 発病が大きく低減
特に葉菜類で効果が大きい。
黒腐病(キャベツ・白菜)
〇 理由
・泥はねにより細菌が付着して広がる病気
→ 敷きワラで 初期感染をかなり抑えられる
菌核病(レタス・ネギ・キャベツ)
〇 理由
・地際の湿度が下がり、菌核の発芽が抑制される
地面接触による果実腐敗(スイカ・メロン・かぼちゃ)
〇 理由
・果実が土に触れず、腐敗リスクが大幅に減る
(厳密には病名というより「生理障害+腐敗」)
◆ 防げる病気まとめ(一覧表)

敷き藁(ポリエチレン製)の効果を最大化するポイント

●株元5〜10cm以内までしっかり敷きましょう
●風でめくれないようピン止めか押さえを行いましょう
●雨の前に敷いておくと泥はね抑制効果が最大限発揮されます。
●草抑制効果も高いため管理が楽になります
以上、いかがでしたでしょうか。
野菜栽培では、しっかりとした対策を行い、皆様の『やった』の声をお聞かせください。

