タデ食う虫も好き好き ~様々な虫たち~
年を重ねるごとに緑に対して深い関心が高まっております。
出かけるにも山方面へ。
ドライブの道すがらで見つける造園やさんや花苗販売店に立ち寄り、専門的な話が盛り上がりすぎてスタッフさんと仲良くなってしまいます。シーズンによって必ず幾種か購入してしまうため、自宅の庭やプランター、鉢は常にフル稼働です。土や栄養剤、肥料などもストックを切らしたことはありません。
(GreenSnapに撮りためた品種一覧を見ましたら、100を軽く超えておりました。)
もちろんプランターでの野菜栽培は年に春秋の2回楽しんでいます。
今回は、様々な植物を餌とする様々な虫のお話を少しだけいたしましょう。
Index
野菜を好む虫たち 4選
『好き嫌いはありません』 ヨトウムシ
まずは食害の代表格ともいえるヨトウムシです。雑食性のため100種類以上の植物に及び、葉の表皮だけを残す食べ方や、成長すると葉脈や新芽、さらには果実を食べて作物を全滅させる虫です。全滅…。万願寺とうがらし・伏見甘長の茎に同化した状態で発見しました。
(似たような外観の虫にはタバコガやオオタバコガがいますが、この種類は毛が生えているとで見分けることができるようです。)
『クセのある植物が大好きです』 キアゲハ
続いてはキアゲハ。人間なら好き嫌いの分かれる植物であるニンジン・パセリ・ミツバ・セロリなどを好む虫です。幼虫は葉っぱや茎を食べてしまうので、生育初期の苗は枯らしてしまうほどの大食いです。ナスのコンパニオンプランツとして植えたパセリがやられました…。でもきれいな虫だったんで大発見です。
『植物を食べる虫を食べますよ』 ナミテントウムシ
これは益虫と呼ばれる虫『テントウムシ』です。そう、アブラムシを食べてくれる肉食虫なんです。この年のナスはアブラムシが大発生しておりました。小粒だけれど被害は膨大なアブラムシ。植物の新芽や葉の汁を吸うことで、生育不良、葉の縮れや変形、枯死などを引き起こし、排泄物で『すす病』など病害を引き起こすこともあるようです。アブラムシの大敵といえばテントウムシ。これはそっとしておいて成長するのを待ちましょう。成虫になっても益虫です。
(※ただし、『テントウムシダマシ:星(斑点)の数がテントウムシの倍近くある』ダマシとだけあって見た目は似ていますが、これは植物を餌にする虫ですのでご注意を)
『食欲もサイズも横綱級』 クロメンガタスズメ
やっと実がつきだしたミニトマト。これは発見1日目です。
派手な見た目なのですぐ見つけられます。擬似という文字はこの虫の辞書にはありません。
葉を食い尽くし、成熟すると土中でサナギになるため、葉にフンなどの痕跡がないか注意深く観察し、幼虫を発見した場合は捕殺することが効果的な対策です。この虫に効果のある農薬はないとか…。アシナガバチがこの虫を捕食する性質があるそうです。もはや横綱(クロメンガタスズメ)vs大関(アシナガバチ)の対決ですね。
見た目がかわいいので、トマトをどこまで食害するのか見守りましたところ、すべての葉が食い尽くされ、一部茎まで食べ始められてました。1匹で人の背丈ほどあるトマト木を丸坊主にしてしまいました。
かんきつ果樹を狙う虫
『3形態そろい踏みです』 アゲハチョウ
これはアゲハチョウの卵(葉っぱの右端の茶色い粒)と初齢幼虫(イガイガの茶色と白)・終齢幼虫(グリーン)の3種が1枚の葉っぱで共存しています。成虫はきれいですが、産卵の数が恐ろしく多いのです。今年は稀にみる猛暑が続いており、雨不足が重なり、虫の生育には環境が恵まれているのでしょう。初齢幼虫がレモン全体の葉っぱ7割方におりまして、葉っぱごと処理できない状態です。そろそろ薬を散布しようと思います。
(ちなみに、モンシロチョウの幼虫は白菜やキャベツなどアブラナ科植物が大好物です。モンキチョウの幼虫はクローバーやレンゲソウなどのマメ科の植物を食べます)
まとめ
虫の種類によって、好む植物が異なります。もちろん嫌いな植物もあるわけですが、その嫌いな植物を好む虫もいるわけで…。幼虫と成虫では、食の好みもかわります。大事に育てた作物は防虫ネットなどをうまく使って虫対策をして最後の収穫まで楽しみたいですね。
水路で見つけたヤゴです。ご存じトンボの幼虫です。